今月は本田技研工業が自動運転レベル3搭載の自動車の発売を発表しましたね!
ホンダのレベル3自動運転については下の記事をご覧ください。
自動車業界にとって非常に画期的な発表だと思いますが、実はホンダよりももっと早く、しかも一般道で使用可能な「完全自動運転」機能をリリースしているメーカーがあります。
それが最近名前をよく聞くようになった「テスラ」です。
テスラは今年10月に「Full Self Driving」と呼ばれる完全自動運転機能のベータ版をリリースし、すでに多くのユーザーがネットにレビュー動画を投稿しています。
今回はテスラの自動運転がどこまで進んでいるのか?そして他メーカーとの自動運転戦略の違いについて紹介したいと思います。
テスラとは?
テスラは近年一気に成長を遂げたアメリカの自動車メーカーで、CEOは有名な実業家のイーロン・マスク氏です。
イーロン・マスク氏といえば、先日民間企業としては初めてISS(国際宇宙ステーション)に宇宙飛行士を送り届けたクルードラゴンの開発企業スペースX社のCEOでもありますね。
誰もが夢物語とも思えるようなことを本当に実現してしまうのがマスク氏のすごいところです!
テスラは2000年代に誕生したメーカーですが、他社にはない大きな特徴をたくさん持っていることで有名です。
- 販売車種は電気自動車のみ
- 完全自動運転車にどの企業よりも力を入れている
- ディーラーがない
- 自動車のソフトウェアをネットでアップデートできるようにしている
- CMなどの広告を使わない
など、自動車メーカーとしては常識破りな戦略をとっており、だからこそ短期間で遂げたのかもしれません。
特に自動運転の実現には特に力を入れており、出荷済みのテスラ車を無人タクシーとして走らせることでオーナーに利益をもたらす”資産”に変えるという構想があったりします。
非常にユニークで先進的なことをやる会社だと言えますが、販売台数は年々伸びており、日本でもちらほら姿が見られるようになってきました。
今年9月には企業時価総額でトヨタ自動車を超え、テスラは自動車メーカーとしては現在世界一の時価総額を誇っています!
メーカーというよりはIT企業的な側面が強い会社で、「できそうなことはとりあえずやってしまえ!」という性格の企業なのでしょうね。(イーロン・マスク氏の性格が反映されていると言えます)
また、自動車メーカーではありますが、発電、蓄電システムなどのエネルギー事業にも特に力を入れているのが特徴です。(むしろこっちが本業?)
完全自動運転ベータ版をリリース!その実力は?
今年10月にテスラは完全自動運転機能オートパイロットのβ版(一般ユーザ向けテスト仕様)を”一部のユーザ”を対象にリリースしました。
この機能はオプションになっており、価格は何と10,000ドル!(100万円以上)
正直かなり高いと言わざるを得ませんが、その実力はどんなものでしょうか?
Youtubeにテスラオーナーのレビュー動画がたくさん上がってきています。
感想としては、完璧とは言えないものの完全自動運転に”かなり近づいている”と言えます。
当然ですが、工事現場のパイロンや路上の段差までしっかり認識したり、狭い道路での車のすれ違いもしっかりできているのが本当にすごいと思います!
中には運転手が介入するようなヒヤッとする場面がある動画もいくつか見られたので、データをフィードバックしてさらに精度を上げていく必要があると思われます。
ちなみに現在の自動運転機能は”完全”を謳ってはいますがドライバーの常時監視が必要なので自動運転レベルの定義としてはレベル2に該当するそうです。
しかし、今後精度が向上し監視も不要となった場合は、一般公道で使用可能なのでレベル4~5にはなりそうですね。
テスラの自動運転普及戦略はひと味違う!
テスラは完全自動運転車をどこよりも早く販売すると宣言しており、その言葉通り数年前からその戦略は始まっていました。
まず、テスラは自動運転車を普及させるために2016年から販売している車両に自動運転に必要なカメラやセンサーをあらかじめ搭載して販売していました。
つまり今公道を走っているテスラ車は自動運転車としてのポテンシャルを既に持っており、ソフトウェアが完成すればいつでも自動運転車に変身できるのです!
さらに、テスラはほとんどの自動運転実験車が採用している「LiDAR」という先進的な光センサー技術を使っておらず、カメラやレーダーなど既存の技術を組み合わせて自動運転を実現しています。
他のメーカーが自動運転車を普及させようと思ったら、「LiDAR」を小型化してハードもソフトも完成した状態で販売し、そのあとコツコツ販売台数を伸ばしていくしかないですよね?
もしハードが搭載されていたとしても、ソフトをアップデートするとなればディーラーに持ち込むという形がほとんどでしょう。
しかしテスラはネットで自動車用ソフトをアップデートできるので、一晩で完全自動運転車が完成してしまうという仕組みなのです!
いかに自動運転を実現、普及させたいのか、その強い想いを感じさせる戦略です。
テスラの走行データ量は桁違い
なぜ他のメーカーよりもいち早く自動運転機能をリリースできたのかというと、走行データの量が桁違いに多いことが大きな要素と言われています。
テスラが販売している車両は走行データを記録しており、それをデータベースにアップロードしています。
そのデータをAIが分析し、ソフト改良にフィードバックされているのです。
その総距離数は2020年現在なんと45億キロとも言われているので、どれだけ様々な運転状況を経験しているのか容易に想像できますね!
まとめ
完全自動運転の実現目的については、ほとんどの自動車メーカーが交通事故をなくすためだと言っています。
まだまだ課題が残っていることは間違いありませんが、人間が運転するよりも安全に車を動かすことができる時代がすぐそこまで来ていると感じます。
車に乗る人も乗らない人も安心して道路を利用できる世界になるといいですね!
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