中途採用者がすぐ退職してしまう理由は何?

こんにちは!

最近は仕事関係の記事を書き始めていますが、やはり自分の実体験に関係することは書く意欲が湧きますね。

これからも自分が働く中で体験したことや思ったことについての記事を提供していきたいと思います。

 

突然ですが、皆さんが勤めている会社や官公庁では中途採用(キャリア採用)を行っているでしょうか?

おそらくほぼ全ての組織に中途採用制度があるはずです。

近年中途採用の割合は増え続けており、2019年には今まで9割を新卒採用にしていたトヨタ自動車も、将来的には5割を中途採用に切り替えると発表しました。

トヨタにならって他業界でも同様の傾向は続いていくでしょう。

しかし、中途採用で入社した社員の退職率は、新卒入社よりも高い傾向があるということをご存知でしょうか?

企業によって異なりますが、3年離職率は新卒社員の1.5倍程度ともいわれています。

私が今まで働いてきたいくつかの職場を考えてみても、定着率は中途採用者の方が低いと感じています。(皆さんの職場はどうですか?)

実際に退職していく人たちから、ぶっちゃけどんな不満ミスマッチがあったのか聞いたり観察した結果、新卒社員と異なる傾向が見えてきました。

そしてそのミスマッチには実際に私が転職後に感じたことがあるものも含まれていました。

今回は中途採用者が仕事を短期でやめてしまう理由転職先の職場に定着するための方法ついて考察してみたいと思います。

中途採用者がすぐに退職してしまう理由・不満点

新卒社員より比較的辞めやすい中途採用者ですが、転職先で定着せずにすぐ退職してしまうのは残念ですよね。

しかし、中途採用者にもそれなりの理由があるのは事実です。

どのような理由で辞めるのか?どんなミスマッチがあるのか?についていくつかご紹介します。

すぐに成果を出すことを求められるから

中途採用者は今までキャリアを積んできたとみなされ、即戦力となることを期待されます。

そのため入社直後でまだその会社や仕事のことを何も知らないのに、すぐに成果を出すことを求められる場合があります。

しかし、優秀な人であっても何も教えられないまま最初からバリバリ成果を出せる人はほとんどいません。

※まれに化け物のように優秀な人もいます

特にその会社の製品やサービスが複雑で、仕事がクリエイティブであればあるほど仕事を理解するまでに時間がかかります。

それを待たずに「即戦力なんだから成果を出せ!」と言われても無理なものは無理なんですよね。(あんたがやってみろ!と思います)

そんな会社からのプレッシャーに嫌気が差して退職してしまう人がいることは事実です。

できれば成果を出すまでに1年くらいは様子を見たいものです。

他の会社を知っているから

中途採用者は他の会社や組織で働いた経験があります。

私もそうなんですが、転職先の会社で働いてみると今まで働いたことがある会社とどうしても比較してしまうんですよね。

例えば、給料や仕事内容、労働環境などについてですね。

そして前の会社の方が良かった点については特に良く思えてきて、今の会社がなんだかダメに見えてしまいます。(元彼、元カノを忘れられない理由と似ている?)

全てが完璧な職場、というのはほとんどないんですが、新天地を求めて転職しただけに期待値が高くそのような比較をしてしまうのだと思います。

転職先に比べて今まで自分がいた会社が思った以上に恵まれていたと知った(思い込んだ)とき、「ここはダメそうだなあ、辞めようかなぁ」と思ってしまうことがあります。(経験談&同僚から聞いた話)

思っていた仕事と違うから

中途採用者を募集する背景として、人手が足りない仕事の人員補充退職者の穴埋めという場合があります。

つまり仕事に人をつける「ジョブ型採用」というわけですね。

それ自体は問題ないのですが、とにかく人を採用することを優先してしまい、転職希望者の目的やりたいことを十分に確認しないまま採用してしまうことがあります。

その場合、会社側がやってほしい仕事中途採用者のやりたい仕事ミスマッチが発生してしまいます。

中途採用者はやりたい仕事が明確に決まっていて転職先を探している場合が多いので、入社してみたら思った仕事と違うというのは非常にショックが大きいんですね。

この一番最初のミスマッチが後に退職理由に繋がってしまうこともあります。

職場になじみにくいから

毎年新卒採用者が部署に配属されると、自分が新入社員だった頃を思い出して身が引き締まります。(自分もフレッシュだったときがあったなぁ・・)

日本では年功序列の考え方が根強く残っているので、自分の部署に配属されてきた何も知らない年下の可愛い新入社員に先輩たちは「一から仕事を教えてあげよう!」と思い、優しく受け入れてくれるでしょう。

これが中途採用者の場合だと、他社で様々な経験をして社会の荒波に揉まれてきた、30代40代の明らかに”顔つき”が違う新入社員が入ってくるわけです。

↓社会の荒波に揉まれた中途採用者のイメージ ※主観です

そこで職場の人たちが「可愛いなぁ、一から優しく仕事を教えてあげよう!」とは普通思わないですよね。

ましてや、その中途採用者はものすごく優秀な可能性もありますし、プロパー社員から「何だかできそうなやつが入ってきた」と思われて警戒されてしまう可能性もあります。

いずれ職場で打ち解けることができれば問題ないわけですが、警戒心を解くこともできず、職場になじめなかった人が残念ながら退職してしまう、というケースもあるようです。

仕事内容と同じくらい人間関係は大事な要素ですからね。

退職のハードルが下がっているから

中途採用者は一度は仕事を辞めた経験がある人です。

まだ退職した経験がない人にはわかりにくいかもしれませんが、「レールから外れる」という不安は相当に強いものです。

そして今まで積み上げてきたキャリアが長ければ長いほどその不安が大きくなります。

しかし、一度仕事を辞めてみると「意外と何とかなるもんだな」と、仕事を辞めてもどうにかなるということに気付いてしまうわけですね。

つまり退職のハードルが下がるわけです。

そして上で説明したような事を経験して、不満やネガティブな感情が溜っていくと、「また一念発起してやり直そう」とあっさりと辞めてしまうことになってしまいます。

中途採用者が定着するためにはどうすればいい?

中途採用者には新卒社員と異なる退職理由があることについてお分かりいただけたでしょうか?

では、あなたがこれから転職するとして、転職先で長く働くためにはどうすればいいのか、その方法をいくつかご紹介したいと思います。

入社前

仕事内容を事前に明確にしておく

これから転職しようとしている方は、応募時や面接時、遅くとも内定承諾までには転職先で自分が就く仕事内容をはっきりと聞いておきましょう。

これは入社後のミスマッチを防ぐためには非常に重要なことで、採用担当者からしつこいと思われたとしても納得がいくまで確認するべきです。

もしもあなたが採用に関わっている側の人なら、応募者がどのような仕事をやりたがっているのか十分ヒアリングするようにしてください。

もちろん、待遇や福利厚生についてもしっかりと説明し、入社後に話が違うというようなことが絶対ないようにしなければなりません。

仕事内容について十分納得したうえで入社するようにしましょう。

研修や教育制度があるのか確認しておく

いくらキャリアを積んできたからとはいえ、スーパーマンのような人を除いて入社直後からいきなり成果を出せる人はいません。

職場が変われば仕事のやり方も変わりますし、その会社独自のシステムを覚えるのにどうしても時間がかかるのは当然ですよね?

そこで面接時などに、入社後に教育制度があるのか? 中途採用者をフォローする仕組みがあるのか?を確認してください。

しっかりした企業であれば、中途採用者に対しても最低限OJT教育は用意されているはずです。

教育がないとしても、余地があればお願いしてみても良いです。

「そんなものはない!中途が甘ったれたことを言うな!」というような企業であれば、おそらく入社後に放置されることは間違いないので、よほど自信がある人以外は縁がなかったと思って辞退するべきです。

入社後

まずは良い人間関係を構築しよう

当然ですが、転職すると基本的には人間関係がリセットされますよね。

つまり新しい職場の人は採用関係者を除いて誰もあなたのことを知らないわけです。(あの人誰?状態)

そこで、まずは人の名前と顔を覚え、そして自分の名前と顔も覚えてもらうようにしましょう。

あいさつで自己紹介をすると思いますが、業務に関することを一緒にやるだけでより一層自分のことを覚えてもらいやすくなりますよ。

仕事のやり方などに関することで、まずはなるべく簡単なことから聞いてみると良いですね。

忙しくないタイミングであれば、ほとんどの人が親切に教えてくれると思います。

仕事を教えてもらうと必然的に会話する機会が生まれますし、そこで少し雑談なんかをすれば打ち解けるのも早くなります。

何事も最初が大事ですから、いち早く職場の人と打ち解けることで居心地の良い環境を作りましょう。

良い人間関係は転職先で定着するためにとても重要な要素です。

最初から飛ばしすぎない

仕事ができる人や、やる気がある人はどの職場でも歓迎されるはずですよね?

それは確かに間違いないことです。

しかし、最初から飛ばしすぎると少しうっとうしいと思われてしまうかもしれません。

職場の人、特に新卒入社から働いているプロパー社員にとっては、中途採用者はどうしても強く意識してしまう存在です。

私が今働いている会社の同僚から聞いた話ですが、やはりキャリア採用者は「優秀そう」とか「自分の存在を脅かしそう」と思ってしまうそうで、最初は警戒してしまうことがあるようです。

そこで最初からガツガツ仕事をハイペースでこなしていると、より警戒心を強め、職場で孤立する原因になってしまう場合があるようですよ。

第一印象が大事だと言われるように、まず最初は低姿勢で仕事に臨み「私はあなた達の存在を脅かしませんよ」という気持ちがアピールできると良いですね。

間違っても「俺はお前たちより仕事ができるんだ!」というような雰囲気は出さないように。

まとめ

いかがだったでしょうか?

中途採用した方が辞めやすい理由や、どんな不満点を抱える傾向があるのかお分かりいただけたでしょうか?

中途採用者は職場に新しい価値観や技術を持ち込み、組織を活性化してくれる貴重な存在です。

これからの時代は中途採用なしに企業は成り立たなくなることは間違いありません。

しかし、せっかく様々なコストをかけて転職活動や採用活動をしたのに、ミスマッチのせいですぐに退職してしまうのは本当に残念な話ですね。

転職する側も採用する側も、事前に十分な意思疎通をはかって入社後にミスマッチがおきないようにしたいものです。

もし、どうしても転職した職場が合わないと感じたなら・・・

そのときは迷わずまた転職しましょう!