電気自動車(EV)は今買うべきなのか?

佐川急便が小型EV(電気自動車)を7200台導入するというニュースが流れてきました!

佐川急便、ベンチャーと共同開発の軽EVを初公開 生産は中国・五菱汽車 納車は2022年9月から

1台当たりの価格は約120万円で、ちょっと安い軽自動車くらいですが、それでもまだ高いと思われていたEVがもうこんな価格になっているなんて驚きですよね?

この配達用EVは、車体の設計は日本で行い製造は中国企業が行うようです。

自動車産業で今のところまだ世界をリードしている日本企業ですが、EV時代になって新興国企業が本格的にシェアを奪いに来ている印象を受けますね!

今回の記事では、EVは今すぐ買うべきなのか?EVの現状や将来性はどうなのか?について私の考えを書いていきたいと思います。

買うのはもうちょっと待った方が良い!

近年徐々に普及し始めているEVですが、結論としては・・

まだ全ての人にEVをお勧めできません!

よほど金銭的に余裕があって新しいもの好きな人ならどんどん乗ってほしいと思いますが、残念ながらEVはまだ利便性や社会の受け入れ態勢の面でガソリン車に及んではいないと思います。

今は依然として車はガソリンで走るのが当たり前なので、インフラなどの整備が進んでいないからです。

しかも、まだまだどのメーカでも車種のラインアップが少ないのが現状!

とはいえ、EVにもガソリン車と比べて様々なメリットが存在するのも事実です。

  • 排気ガスを出さない(環境重視をアピールできる)
  • 部品点数が少ない(コスト、技術的障壁を下げる)
  • 自宅でも充電できる

電気自動車の課題

EVメーカーと言えばやっぱりテスラが有名ではないでしょうか?

イーロン・マスク氏のカリスマ性もあり近年目覚ましい発展を遂げているテスラですが、販売している自動車は全てEVです。

アメリカではテスラをはじめとしてEVが受け入れられつつありますが、まだEVが抱えている課題は少なくありません。

航続距離

EVというより自動車の改善点として挙げられるのが航続距離でしょうね。

最近はガソリン車並みに航続距離が伸びている車種もありますが、重いバッテリーを積んでなんとか実用的になる、というくらいまだまだガソリン車の方が航続距離が長いのです。

例えば、現行の日産リーフの走行距離はカタログスペック上458kmなので、燃費が20km/Lで燃料タンク40Lのガソリン車と比較すると、約半分強の航続距離となります。

もちろんテスラ車のように大容量バッテリーを積めば走行距離を延ばすことは可能でしょうが、その分コストや充電時間という面で不利になってしまいます。

EVの普及を加速させるためには全個体電池や急速充電技術などの革新的なテクノロジーを実現する必要があるでしょうね。

充電時間・インフラ整備

充電時間とインフラ整備も大きな課題ですね。

日産リーフだと、設備のワット数によってもことなりますが、20%→80%の急速充電で約40分程度かかるようです。

どうしても給油時間に比べると長時間になってしまうので、外出先で充電する場合はバッテリー残量と充電時間を考慮しておく必要がありますね。

また、充電設備自体もガソリンスタンドほど普及していないのが現状です。

最近では急速充電器を備えるコンビニも増えてきましたが、田舎ではまだまだ珍しいと言えます。

それに比べてガソリンスタンドは日本全国いたるところにあるので、燃料確保のしやすさという部分ではガソリン車に軍配が上がりそうです。

しかし、充電時間やインフラ整備についても徐々に改善が進められていくと思うので、数年後にはガソリン車とそれほど差がないくらい簡単に充電できるようになっているでしょう。

GoGoEVというサイトでは全国の充電設備がある場所を検索できるので、遠出の際に利用すると便利です。

コスト

EVの重要部品であるバッテリーの製造にコスト(と環境負荷)がかかるため、それなりの航続距離を持ったEVを作ろうとするとガソリン車よりも高コストになってしまうのが現状です。

現在販売されているEVはほとんどが同じ車格のガソリン車と比較して同等以上の価格になってしまっているのが現状です。

とはいえ、冒頭でも紹介した小型EVのように、短距離に絞った使い方をするならバッテリー価格も抑えられますし、何よりガソリン車よりも部品点数が少ないのでこれからどんどんコストは下がっていくでしょう。

2020年代はEV・自動運転が躍進しそう!

2020年代、自動車業界には以下の2つの変革が訪れると予想しています。

  • ガソリン車から電気自動車へのシフト
  • 自動運転技術の進歩

EVと自動運転という2つのテクノロジーが同時に盛り上がってきていることで、2020年代は自動車の歴史上でも非常に大きな転換点を迎えるでしょう。

EVなんて流行らない!自動運転なんて無理!あぶないだろう!

こんなことを言う人も大勢いるみたいですが、これは今まで人類が繰り返してきたお決まりのパターンの一つにすぎません。例えば過去には以下のような世論がありました・・

  • 人類が空を飛ぶ機械なんて作れるはずがない! ➡飛行機は最も事故率が低い乗り物です
  • 自動車より馬車の方が優秀だ! ➡観光以外で馬車に乗りますか?
  • 人類が宇宙に行けるはずがない! ➡宇宙に滞在している人もいますね
  • インターネットなんて虚業だ! ➡今やネットがないと社会が成り立ちません
  • スマホなんてすぐに廃れる! ➡周りにガラケーを使っている人はどれくらいいますか?

例を挙げるとキリがないですが、何か新しいテクノロジーが出てきたときに、いつの時代でも必ずそれに反発する人がいるというのがお分かりいただけると思います。

新しいものに反発する心理としては、「世の中が変化することが怖い」「既得権益を失いたくない」などがあるのでしょう。

しかし心配はいりません!今はどれだけ心配でも、人間の慣れる能力はとても高いので、ほとんどの人が自動運転機能付きのEVに違和感なく乗れるようになるでしょう。

世界は確実にEV化に舵を切る!

近年世界では確実にEV化の方向に舵を切っており、各国で2030年代を目途にガソリン車の新車販売を禁止する流れが来ています。

EVは不便だとかそういう問題ではありません。

  • 今後も航続距離は短いままなんでしょうか?
  • 今後も充電時間は今のままなのでしょうか?
  • 今後も充電インフラは整備されないんでしょうか?

技術の進化という部分を考慮して未来を考えれば、EVの利便性が今後も今と変わらないことなどありえないということがわかると思います。

ただし、今後数十年間はガソリン車とEVが一緒に走るという状況が続きますし、中古のガソリン車も残り続けるでしょうから、どうしてもEVに乗りたくないという人でも乗る車がなくなることはなさそうです。(確実に車種の選択肢は減りますが・・)

「燃料電池車」というさらに新しい選択肢もありますが、モーターで走るという原理に変わりはないのでここでは省略します。

日本の自動車メーカーはEV時代に太刀打ちできる?

家電、モバイル機器、ソフトウェア、半導体など新しい産業で覇権を握るチャンスを逃がしてしまった日本ですが、EVの時代にはどうなるのでしょうか?

つい最近トヨタ、ホンダが相次いで本格的なEVを上海モーターショーで公開し、複数車種を市場投入していくことを発表しています。

トヨタ、電気自動車の新シリーズ発表 上海モーターショー

2021年上海モーターショーで「Honda SUV e:prototype」を世界初公開

日本メーカーがこれだけ本気を出しているんだから将来は安泰だと思いますか?

私の予想としてはEV時代に日本車は・・

「売れないわけではないが、世界シェアは今より確実に減る!」

という状況になると予想しています。

理由としてはEV化によって自動車製造の参入障壁が今までと比較にならないくらい低くなるということです。

今まではエンジンなど高度なコア技術で日本が優位に立っていたんですが、EVになると動力源はエンジンよりも構造が簡単なモーターになりますし、エンジンに付随していた燃料、オイル関係の部品が不要になってしまうからです。

つまり、最先端の技術を持っていなくても部品を買ってきて組み立てればそれなりの自動車が作れてしまうのです。(たとえ自動車メーカーでなくとも)

EV時代では、先端技術と莫大な資本を持っている老舗メーカー、小規模でも時代に合わせて瞬時に変化でき、コストも安くできる新興メーカーが同等に張り合えるようになるのではないかと考えています。

実際に佐川急便が選んだEVは中国製造だったわけですからね。

ガラケー全盛期に日本製品が国内シェアを独占していた頃、将来中国製や韓国製の通信機器にシェアをほとんど奪われることになるなんてどれだけの人が予想してたんでしょうか?

残念ながら日本メーカーが優位に立ち続けられる業界は存在しない、ということですね。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の内容をまとめると

  • EVを買うのはもうちょっとだけ待った方が良い
  • 世界は確実にEVへシフトしていく
  • EV時代に日本メーカーは今ほどのシェアは保てない

となります。

EVの歴史は実はかなり古く、初期の自動車も電気自動車でした。

その後、エンジンで走る自動車が長い間優位に立っていましたが、近年ようやく実用的なEVを作るテクノロジーが発展して普及し始めたんですね。

今はまだ黎明期と言えるEVですが、今後改善を重ねながら私たちの身近な存在になっていくと思います。

今後の発展が楽しみです!