【10年以上前倒し!?】コロナの影響で2021年の出生数がやばい!

近年日本は政府の予測を上回るスピードで少子化が進んでいますが、コロナウイルスの影響で今年からより一層やばいことになりそうです!

2019年の出生数は戦後初の90万人割れとなる約86万人でしたが、政府の予測では90万人割れは2021年のはずでした。

さらに、昨年2020年の出生数は約84万人になるとされており、減少数は少し緩やかにはなりましたが、残念ながらコロナの影響が今年からボディーブローのように時間差でじわじわ効いてきそうな状況です。

なぜなら女性の妊娠から出産までは9~10ヵ月の期間が必要で、コロナの影響が出生数にも表れてくるのもそれくらいのタイムラグがあるからです。

本当に出生数がやばいのは2021年から!

昨年2020年の出生数は、2019年より2万人少ない約84万人になる見込みです。

もちろんこれは戦後最少の出生数なわけですが、それでも2018年から2019年の減少数に比べれば緩やかにはなっていました。

おそらく令和元年に合わせて出産した影響もあるのだと思われます。

しかし、そこに水を差したのが新型コロナウイルスで、今年2021年から本格的に出生数への影響が出そうです。

妊娠届け出数が大幅減少

女性が妊娠した場合「母子手帳」などを発行してもらうために役所へ提出する届け出が「妊娠届」です。

以下のデータは厚生労働省が作成した2018~2020年7月までの全国の妊娠届け出数の推移です。

出典:令和2年度の妊娠届出数の状況について

グレーの折れ線が2020年ですが、新型コロナウイルスの感染拡大が日本でも本格的に始まった5月ころから急激に届け出数が減っていることがわかりますね。

感染拡大当初、家にいる時間が増えるから妊娠数も増えるだろう!なんていう楽観論もあったわけですが、健康的、経済的不安がある中でそんなことが起きるわけありませんでしたね。

妊娠してから届け出るまで1ヵ月以内と仮定すると、届け出数が激減した昨年5月の赤ちゃんが誕生するのが今年の1~2月くらいになりそうです。

つまり、ちょうど今年の初めころから出生数が激減しそう、ということになるのです!

婚姻届け出数も減少

妊娠だけではなく結婚自体も減少しているようです。

以下のデータは2018~2020年5月までの婚姻数の推移を表しています。

こちらも2020年のデータではコロナ騒動が深刻化した3月ころから急激に減少していることがわかります。

出典:コロナ禍の影響?2020年5月の婚姻件数が32,544組、前年比マイナス65.1%と大幅ダウン!

日本では婚外子が極端に少ないので、事実上結婚する男女がいなければ子供も生まれないことになります。

令和元年を記念して婚姻届けを出す「令和婚」のおかけで2019年は7年ぶりに婚姻届け出数が増加しましたが、コロナのせいで2020年は結局がた落ちになったようです。

5月以降のデータがまだないのでこの後どのように推移していったかは不明ですが、少なくとも例年を上回るということはないでしょうね。

やはり未婚率の上昇は日本人が貧しくなって結婚に踏み切れない人が増えたということが主要因なので、コロナで失業や倒産が増えるなかではなかなか結婚や出産に踏み切れないという人が多いようです。

政府の予測を10年以上前倒し?

2020年の妊娠届け出数から推計すると、2021年の出生数はなんと77万人台になると予測されており、77万人台は当初の予測では2033年ころの予定だったので、政府の想定より12年前倒しとなる結果です!

そしてコロナの影響が長引いた場合、将来の日本人口に相当な影響が出ることが予想されます。

引用

〇昨年を大きく下回る妊娠届出数
厚生労働省は 24 日に 2020 年 10 月までの妊娠届出数を公表した(資料1)。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、2020 年の妊娠届け出数は減少している。特に緊急事態宣言下の 2020 年 5 月は前年比▲17.6%と2割近い減少となった。その後推移をみても、6月▲5.7%、7月▲10.9%、8月▲6.0%、9月▲1.0%、10 月▲6.6%。緊急事態宣言解除後も前年割れの状態が続いている。妊娠の届出はその多くが妊娠 11 週までに行われる。そのため、7~8か月後の出生数の目安となる。11 月以降の届け出数に一定の仮定を置き、2020 年と 2021 年の出生数を推計したものが資料2である。2019 年の 86.5 万人から、2020 年は 84.8 万人、2021 年は 77.6 万人と 80 万人を割れる結果となった。国立社会保障人口問題研究所の公表する将来推計人口(出生・死亡中位仮定)では、日本人の出生数が 77 万人台になるのは 2033 年と想定されていた(77.6 万人)。新型コロナウイルスの感染拡大によって、2021 年の出生数は急減少することが予想される。

       出典:コロナ危機がもたらす将来人口への影響/第一生命経済研究所

コロナが収束しても出生数が元に戻らない可能性も!

新型コロナウイルスはワクチンが普及すれば完全にとはいかないまでも収束に向かうと思われます。

しかし、上記の出典資料にもありますが、アフターコロナの日本では出生数が回復しない可能性も考えられています。

その理由としては、以下のようなものが考えられます。

  • コロナが収まった後も不況が長引き、結婚・出産に踏み切れない
  • テレワークが普及したことで、職場関係者との接触が減り社内結婚のきっかけが減る
  • 休日を家で過ごす「巣ごもり」が増え出会いの数が減る

パンデミックとは本当に今までの日常を破壊してしまうほどの影響を与えるのですね・・

少子化対策はどうなっている?

正直なところ、少子化がここまで絶望的に進んでしまうと、もはや何をやっても焼け石に水といったところです。

なにしろ政府が予測した最悪パターンを上回っているわけですから・・

それでも今新しく検討されている対策として以下のようなものが挙げられます。

  • 不妊治療費の保険適用化
  • 結婚新生活支援事業の交付金増額
  • AIを活用した婚活支援

的外れだと批判されているものもありますが、確かにその通りでいくら結婚や出産だけを支援しようとしたところで、対処療法でしかないんですよね。

なぜ若者が結婚しないのかと言えば、収入が少なくて将来が不安だからではないでしょうか?

つまり、非正規雇用で収入が低かったり不安定だったりする若者が、安定した雇用を受けられるようにすることが最大の少子化対策なのではないかと思います。

一時しのぎの交付金とか支援金の話ではないんですよね・・

残念ながら、いつになったら効果のある少子化対策が実施されるのかは誰にもわかりません。(そもそもやる気があるのかも不明です)

まとめ

いかがだったでしょうか?

記事の内容をまとめると・・

妊娠届け出数が2020年5月から激減している!

婚姻届け出数も2020年3月ころから減っている!

2021年は出生数70万人台になる可能性が高く、政府予想の10年以上前倒しで少子化が進む!

コロナウイルスが収束しても、不況が長引けば出生数が戻らない可能性も!

アフターコロナでは出会いの場が減って結婚が減る可能性も!

政府は新たな少子化対策を検討しているが根本的な解決にはなっていない!

うーん、日本の未来についてなるべくポジティブな記事も書いてみたいんですけどね・・